The Islets of Langerhans Sea
ランゲルハンス島の海

海洋生物学士のダイビングログと海洋生物図鑑
by diver813
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新しいブログぐり高原の食卓を立ち上げました。
今週のピックアップブロガーに紹介されました。
海洋生物学実習Ⅲ(補講)を開催しました。
海洋生物学実習Ⅲ(牡蠣オフ)を開催しました。
海洋生物学実習Ⅱ(水族館オフ)を開催しました。
海洋生物学実習Ⅰ(磯オフ)を開催しました。
日本ブログ大賞2005「海洋生物図鑑部門大賞」受賞しました。
エキサイト社長・山村幸広とお寿司を食べに行ってきました。
Up Date
2006.09.10
#378  クサリミノウミウシ
画像はムカデミノウミウシでした。
2006.04.08
タグ
を追加しました。
2006.03.11
#301  ヒメサツマカサゴ→サツマカサゴ
間違っていました。すみません。
2006.03.09
#001 だいばー
また身長が伸びました。
2006.02.23
#115  シロダイ→タマメイチ
ちょっと違っていました。
2005.08.17
#073  アナハゼ→オビアナハゼ
間違っていました。すみません。
2005.04.17
索引
カテゴリを追加しました。
2005.04.17
海洋生物図鑑
説明文に【分類】を加えました。
2005.03.24
#001 だいばー
身長が伸びました。
#003 ダツの一種→オキザヨリ
種が判明しました。
2004.06.16
#051 イタチウオ→クロアナゴ
間違っていました。すみません。
2004.06.7
#043 トラウツボ
顔で遊んでみました
オススメ
#001 だいばー
こんな人です
#004 ケヤリムシの一種
ゴカイの仲間でも綺麗
#007 カクレクマノミ
かわいい動画あります
#009 ギンガメアジ
まるで竜巻のよう
#040 ミゾレウミウシ
とてもきれいなウミウシ
#043 トラウツボ
お遊び画像もあります
#060 アサヒガニ
逃げる様子がとってもらぶりー
#107 クマノミ(卵)
眼が見えています
#109 イソマグロ
これぞ近海マグロ
#121 ガラスハゼ
名前の通り透明なハゼ
#144 イソギンチャクエビ
抜け殻より本体の方が透明
#197 オニイトマキエイ
世界最大のエイ、マンタ
#200 スナホリガニ
鋏を持たない可愛いカニ
#238 ウンモンフクロムシ
こんな生き物もいるんです
#244 オオアカホシサンゴガニ
卵を抱いています。
#248 ユキミノガイ
泳ぐ動画があります
#250 アカシマシラヒゲエビ
おめでたいカラーの綺麗なエビ
#269 クジャクスズメダイ
クジャクよりも綺麗かも
Lesson9 ウミガメの見分け方
ウミガメ見分けられますか
#273 オオセ
おとなしい、癒し系のサメ
#275 ホウセキキントキ
目からビーム

日本海洋学会
Lesson13 イカとタコの違い
Lesson13 イカとタコの違い_a0013160_21264393.jpg
イカとタコの違いについてゆめえびさんから質問が寄せられたので、久しぶりのStudy Roomです。
イカとタコは軟体動物門の頭足綱に属します。
この頭足綱にはオウムガイ目・コウイカ目・ダンゴイカ目・トグロコウイカ目・ツツイカ目・八腕目・コウモリダコ目が含まれます。
一般的にイカと呼ばれるのはコウイカ目・ダンゴイカ目・トグロコウイカ目・ツツイカ目、タコと呼ばれるのは八腕目です。
コウモリダコ目は「タコ」という言葉が入っていますが、タコでもイカでもありません。

文章ではわかりにくいのでまとめると、下記のようになります。

オウムガイ目━━━イカでもタコでもない
コウイカ目━━━━イカ
ダンゴイカ目━━━イカ
トグロコウイカ目━イカ
ツツイカ目━━━イカ
八腕目━━━━━タコ
コウモリダコ目━━イカでもタコでもない

では、特徴を比べてみましょう。

■吸盤
 イカ:キチン質でできた角質環がある。
 タコ:肉質で中に空洞がある。

 イカは角質環で噛み付くのですが、タコは吸い付くザ・吸盤。
 この吸盤の違いがイカとタコを分ける、形の上での最大の特徴です。
 イカの角質環は生のイカゲソをしごくと簡単に取れます。

■腕
 イカ:10本(8本+触腕2本)。
 タコ:8本。

 最も有名な違いでしょう。触腕は先端にだけ吸盤がついている長い腕です。
 そして、ヤツデイカ科の種類とタコイカは例外。
 イカですが成長すると触腕が脱落して8本になってしまいます。

■鰭
 イカ:ある。
 タコ:ない。

 但し、有触毛類はタコですが、鰭があります。

■外套膜
 イカ:外套膜の襟は頭部と融合しない。
 タコ:外套膜は背中側で頭部と融合する。

 頭と胴体を引っ張って外れるのがイカ、外れないのがタコ。
 と、いうわけで、ゆめえびさんのご指摘は当たっています。

■神経系
 イカ:脳の前方の腕に5対の腕神経が伸びる。
 タコ:脳の前方の腕に4対の腕神経が伸びる。

 イカもタコも発達した脳を持ち、高い認識能力、運動能力、学習能力を持ちます。
 「賢い動物は食べてはいけない」という主張だと、イカ・タコも食べられません。
 かわいさだってイルカ・クジラに負けていないし。

■墨
 イカ:塊になって分身を作るデコイタイプ。食用にする。
 タコ:広がって視界を塞ぐジャミングタイプ。食用にしない。

 イカ墨もタコ墨も95%がセピオメラニンという成分ですが、残り5%に違いがあります。
 イカ墨は残り5%に脂質が多く粘り気があります。
 吐いた墨が広がらずにまとまるのはこのため。
 脂質以外にもにもアミノ酸などの旨み成分が多く含まれているため、味がよいのです。
 タコ墨は、旨み成分が少ない、サラサラで絡みにくい、熱を加えると分解する、
 墨袋が破けやすく、取れる墨の量が少ない、と、いうわけで料理に向きません。

■抱卵
 イカ:抱卵しない
 タコ:抱卵する

 但し、テカギイカの仲間の一部は抱卵します。

■生活
 イカ:泳いで生活するものが多い
 タコ:着底して生活するものが多い

 鰭のあるイカの方が遊泳力があります。
 一方タコは穴や岩の隙間に隠れて生活する種類が多いです。

■体色変化
 イカ:求愛などコミュニケーションに使う種類が多く、擬態する種類は少ない。
 タコ:擬態に用い、求愛などコミュニケーションには用いない。

 タコは完全に周囲に溶け込んだり、他の生物に化けたり体の形まで変えますが、
 イカは擬態をする種類でも、体表を少し変化させる程度です。

■日本における漁獲量(2008年)
 イカ:約30万トン
 タコ:約5万トン

 資源量もあり、捕りやすいイカは、日本人が最も多く食べている海産物です。

■主な漁法
 イカ:釣り
 タコ:壷

 イカ釣りは光に集まる、タコは穴に隠れる。
 それぞれの習性を上手く利用した漁法が用いられています。

形の特徴は、食用で売っているイカ・タコでも確認できます。
食べる前に、ちょこっと観察してみると、楽しい発見があるかもしれません。
但し、愛着が沸いて食べられなくなっても、ノークレームでお願いします。
by diver813 | 2009-06-05 21:35 | Study Room
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